COLUMN

2024/02/20 14:50


IKOU Bib(スタイ)がどのようにして生まれたのか、開発ストーリーをお届けします。1枚のスタイに詰まったたくさんの想いを、皆さまに知っていただくことができたら嬉しいです。

ここまでは最初のIKOU Bibが誕生したきっかけやサイズバリエーションについてお伝えしました。
今回は2023年9月、新たな素材にアップデートしたIKOU Bibについて、なぜ始めたのか?どんなところが変わったのか?
引き続き、河井と松本の対談形式でお伝えします。


理想の素材を目指してアップデートを決意



松本:最初のIKOU Bib発売後に、ユーザーさんたちの声を反映して、2サイズ展開にするという形で無事に完成しましたが、マミさんはずっと素材に関して気になっていた点があったんですよね。

河井:スタイ発売後、特に速乾性に関して、皆さんとても評価してくださって、リピートしてくださる方も多くいらっしゃいました。最初はほとんどが障害児のユーザーさんで、年齢も大きめのお子さんが多かったのですが、だんだん「お友達の赤ちゃんにプレゼントしました」という声も聞かれるようになって。当初から懸念していたポリエステル素材をスタイに使うという点を改めて見直した方がいいのでは?と考え始めました。

松本:最初にスタイの素材を選ぶ時にも、機能を優先するとポリエステルなんだけど、本来は顔に触れたり口元を拭く物としては天然素材の方が良いよねという議論はありましたよね。

河井:ポリエステルのメリットはやはり「速乾性」ですが、一方で静電気が起きやすかったり、肌が弱い方だと摩擦で痒くなったり肌荒れしてしまう方もいます。コットンは肌への刺激が少ない素材なので、ベビー用品で一般的に採用されていますが、デメリットとしては乾きにくさがあるんです。たくさんよだれを吸うけれど、吸って濡れたままだと、肌トラブルを引き起こしたり不衛生になってしまう。ポリエステルとコットンのメリットとデメリットを天秤にかけてどちらが良いかを悩んで、当初は速乾性を重視しました。ただ、赤ちゃんの場合は、首がまだ短く布が顔に触れる面積が大きいため、ポリエステル素材の刺激性に不安を感じていました。そういった経緯もあり、より多くのユーザーさんに安心して使っていただけるように、今回生地をアップデートしようと決心しました。


さまざまな生地の中から理想の素材を求めて試行錯誤


松本:実際に自分たちでラージサイズのスタイをつけてみたりもしましたよね。

河井:しましたね(笑)

松本:そうしたら蒸れる感じとか、化学繊維の違和感を感じたりもしました。

河井:そうですね。私もスタイをつけて一日仕事をしてみた時に、やっぱりポリエステルの方が静電気が起きやすくて、摩擦ですれる感じがありました。コットンは肌あたりや着け心地に不快感がないと実感しました。

松本:ただ、コットンとポリエステルそれぞれのメリットデメリットを考えた時に、肌に優しいコットンに変更するだけではなくて、ユーザーの皆さんに評価していただいている「吸水速乾性」を維持したいという思いはどうしても譲れず、非常に難しい課題を実現するための新たなチャレンジが始まりました。

背中を押してくれた、テキスタイルメーカーさんとの出会い



河井:「肌に当たる部分は刺激が少ないけれど、吸水速乾性も両立出来る素材」という方向性は決まったものの、既にある素材は探し尽くしており、そのようなニーズを満たすものはなかったので、どうやって実現したら良いのか本当に悩みました。そんな時に、IKOUのビジョンに共感して「世の中に無いのなら、オリジナルの素材を一緒に開発しましょう!」と言ってくださったのが、老舗テキスタイルメーカーの(株)エイガールズの皆さんでした。

松本:テキスタイルメーカーさんに素材の開発をしてもらうのは、基本的には規模の大きなメーカーで生産量が多くないと難しいですし、独自の生地を開発するってすごくハードルが高い事ですよね。

河井:私もアパレルメーカーでパタンナーとして10年にわたり服作りに携わってきましたが、糸から選んで開発するというのは初めての経験でした。
コットンとポリエステル、それぞれの素材のメリットを両立したい、という無謀とも思える要望を叶えるために試行錯誤してたどり着いたのが、表側がコットンで裏側がポリエステルのリバーシブル構造によるオリジナル素材です。

赤ちゃんにも使っていただける安心安全なスタイを目指しているので、肌にあたる表側はオーガニックコットンの上質な糸を使い、裏側はリサイクルポリエステルという、環境にも配慮した糸を使用しています。

松本:私たちの思いに共感してくださったエイガールズの皆さんが、本来だったら実現できないような難しい挑戦に一緒に取り組んでくださり、感謝しかないですね。

河井:本当に感謝しています。糸の種類、組み合わせや編み方によってどんな素材ができ上がるのかが変わるので、豊富な知識と経験をお持ちのエイガールズのチームの皆さんにサポートいただけてとても心強いですし、勉強になることばかりです。

(株)エイガールズのチームの皆さんと一緒に


ついに求めていた素材の完成が見えてきたIKOU Bib


吸水速乾の機能は維持しながら、どんなお子さんにも安心して使っていただける肌へのやさしさも両立した、他にはないスタイを目指してあと一歩。

肌にあたる表側はオーガニックコットン、裏側はリサイクルポリエステル

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次回は、普段からIKOU Bib を愛用してくださっているユーザーの皆さんにモニターテストを行った様子をお伝えします。ユーザーと共につくることを大切にしているIKOUの「インクルーシブデザイン」の開発プロセスについても知っていただけたら嬉しいです。

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